【サイボーグ技術が世界を変える】

11日の日記の続きです。

暇な人だけ読んでみてください。

プライベートなことはほとんど書いていないですよ!



【サイボーグ技術が世界を変える】

機械から信号を与えると、なぜ人間の脳は進化していくのでしょうか。
機械からの感覚を自らの脳がどう感じるのかは体験できます。(取材とかではないと無理かもしれませんがね)
東京大学の工学部で。
方法はまず、医師が針電極を腕の神経に刺します。
狙うのは指から腕へ繋がる触覚神経です。
横にロボットセンサを置き、その指先に付いた圧力センサを押すとコンピュータによって普段人間が流す電気信号へと変えられます。
この電気信号が針電極を通して人の腕から脳へと送られます。
人の手はまったく動かさなくても、ロボットの圧力センサが触った部分と同じ感覚を得られます。
これを続け、だんだん機械に慣れてくると脳は急成長するわけです。

実例:2歳の時から耳が聞こえなくなり、3歳で手術、現在小4の子の話
人工の耳、“人工内耳(じんこうないじ)”と呼ばれる機械が頭に埋め込まれています。
場所は耳の少し上の辺りで、埋め込まれた部分と外につける機械(補聴器みたいな形)は磁石で繋がっています。
この機械の特徴は音を大きくする補聴器とは違い、人工内耳は頭の中に直接埋めてしまうということ。
つまり、音は電気信号に変えられた後、直接聴覚神経に送られ、脳に送られています。
音は人工内耳の持つ22の銀色の輪と電極と呼ばれる接点を通して神経へと繋がっています。
↑これと同じ物が人間の耳の細胞には約15000入っています。
それに比べ人工内耳は22個しかありませんが、それに慣れていくと脳は足りない音を補う力を持っています。
そのため人工内耳は手術を受けた後も一人一人の耳に合わせたコンピュータの調整と子供たちへの長期間の訓練が必要となります。
今回の子供は今、進んでバイオリンの練習をしています。
人工内耳でここまで出来るのは極めて珍しいことらしいです。
これは、今も人工内耳に対応する脳が成長しているということです。


第3章 脳が機械で調整される

機械と結びつくことでもたらされた人間の脳の変化は意図せざるものでした。
そして今、サイボーグ技術は脳そのものを意図的に調整する段階へ踏み込んでいます。
胸に埋めこまれたコンピュータからケーブルを通じて電気信号が送られ、脳を調整しています。

実例:クリーブランド・クリニック(アメリカ オハイオ州) アリ・リザイ医師(脳神経外科) の話
脳を機械で調整する技術は今、医療関係で急速に広がっています。
リザイ医師はコンピュータと脳をつなげる電極を見せてくれました。
そして、脳深部刺激療法と呼ばれる治療法を見せてくれました。
この治療法は、病気の症状を引き起こしている部分に脳のペースメーカーとも呼ばれる装置で、電気で刺激を与え異状を調整するというものです。
実際に効果のある病気は
・ パーキソロン病 (←体の震えが止まらず、動けなくなってしまう病気)
ジストニア (←自分の意志でなく、体が勝手に動いてしまう病気)
電気を与える場所を変えるだけでどんな病気も治るそうです。
薬で治せない病気も。

実例:51歳のパーキソロン病の患者の方
以前はトイレも人に頼らなくてはならない状態で、家に閉じこもりだったそうです。
その方が、今は自分の意志で動き、馬にも乗れています。
ただ、・・・この方の脳には今も24時間、頭に電気信号を送っています。
そして、その方は信号を送らなくなるとどうなるのか見せてくれました。
スイッチを切って5分後、病気の症状が出てきました。
頬がたれ始め、足が震えだし、そしてまともに話すことも不可能になってしまいました。
そう、この治療法は病気を感知させるものではなく、電源を切ればもとの体に戻ってしまうのです。

今回、患者の好意で見せていただきましたが、確かに恥ずかしくて外にも出たくなくなる(というか出ることが出来ない)症状でした。
それが治った(日常生活を送られる)ことが信じがたく、まさに奇跡だと思いました。

患者は最初、先生に会ったとき「生きる意味のある生活がしたい」と言ったそうです。
リザイ医師は「あなたの人生を取り戻してあげられるかもしれない。しかし脳の手術なので脳卒中の危険や、死に至るかもしれない。」と言いました。
患者は「今のままでは悪くなる選択肢しかない。このまま何もせず、手をこまねいたまま一生を終えたくはない。」と言って手術を決意しました。

アメリカでこの手術を受けた人は今までに20,000人とも言われています。


余談(下記は放送とは全く関係ないです)
自分にはたくさんの選択肢が随時あります。
その選択肢を1回や2回間違えたくらいで相当落ち込む自分が情けなくなってきました。
選択肢がないとき、新しい選択肢の道を開く人に比べれば。
自殺しか選択肢がないなんて絶対に無いんですよねぇ、多分。
そんなこと言ったら申し訳ない方がいるのですが。
「生きる意味のある生活がしたい」かぁ・・・、自分の生きる意味かぁ・・・。

余談終了(笑)


上記の手術、日本でも行われているんです。
東京の板橋にある日本大学 板橋病院です。(急に身近になったなぁ^^)
日本でもパーキンソン病で筋肉のこわばりと痛みに悩んでいる人がいます。
その人の手術が今年行われました。

ここでパーキンソン病の原因の説明(遅いかも^^。スミマセン)
人間の脳は電気信号をやり取りしてさまざまな情報を処理しています。
パーキンソン病の患者には異常な信号を発する部分があります。
ここに電極を入れ、電気刺激で異状を抑えるのです。

手術の際、患者に電極を差し込む目標は、脳の中で厚さ5mmしかない部分でした。
長さ30cmの電極が少しずつ脳に入っていき・・・。
あとは手術を見ていました。
ちゃんと電気によって体が楽になるか反応を見るため、手術は脳のみに麻酔をします。
痛くは無いのだろうけど、痛々しかった(><)
そして・・・2週間後には1人出歩けるようになっていました。


サイボーグ技術が踏み込んだ脳の調整という治療はどこまで広がるのだろうか。
脳深部刺激療法は今、薬の効かない重いうつ病強迫神経症(強い強迫観念を主症状とする神経症)といった精神の病での臨床試験を行っています。


この分野の世界的権威であるアンドレ・ロザーノ医師(カナダ)の発表
CG25という、悲しい時に活発になる神経を発表しました。
↑これが見つかった時、ここがうつ病の原因ではないかと考えたそうです。
そして、ここに電気信号を与えると11人中、8人が元気になりました。
脳は非常に複雑な組織で、今も完全に解消されて理解されていませんが、これによりまた、さまざまな治療ができるようになるそうです。


私はショックを受けました。
人間の心はこんなものだったのでしょうか。
想像したこともありませんでした。
精神の病気で複雑かと思ったら、「“悲しい時に活発する神経”が、随時活動しているから」だなんて、まるで機械のようではないですか。
機械なら壊れた部分だけ取り替えればまた動くと考えますが、精神病も同じようだったとは。
このような方法で精神の病気を治療できるのなら、人間について考え直す必要があるかもしれません。


第4章 脳とすべての機械が直結した。

アメリカは21世紀の覇権を握るため、サイボーグ技術の研究を国を挙げて取り組んでいます。
DARPA(米国防総省、高等研究計画庁):ここではアメリカ軍の巨額の資金が投入され、先端的な軍事技術の開発を一手に行っています。
DARPAは、サイボーグ技術を使って軍事の能力を極限まで高めようと狙っています。各発言は、

 トニー・テザー長官「不可能に見えるかもしれないが、腕を失った兵士が能力を取り戻して考えるだけ動く機械の腕を開発しています」
 軍事科学者「私は戦場の兵士のため、神経科学を役立てる」
 米軍将校「我々は革命的な科学技術を発展させていきます。今後も世界で最も強かな軍隊であり続けます。」

DARPAが今、軍に底知れない利益を与えるかもしれないと注目しているサイボーグ技術があります。
それは、『脳コンピュータ インターフェイス』というものです。
脳とコンピュータを直結させ、考えるだけであらゆる機械を瞬時に動かせるというものです。
これまでのサイボーグ技術は脳から電気信号を体の筋肉などからひろっていました。(第1章)
脳から直接信号を読み取るのは技術的に不可能だと言われてきました。
数千億を超えるとも言われる脳細胞があるからです。
『脳コンピュータ インターフェイス』は脳からの指令となる電気信号を脳細胞から直接読み取ることに成功したのです。

この技術を世界で初めて開発した研究者 ジョン・シェーピン教授(アメリカ・ニューヨーク州立大学
この方は20年以上この研究をしていたそうです。
方法と考え方を少し説明していきましょう。
方法は、16本の電極を脳に直接差し込みます。
脳の中には体を動かすことだけをつかさどる神経があります。
この電極をその中でも腕を動かす部分に差します。
そこには膨大の脳細胞があります。
それをわずかな電極で、ここから腕を動かす情報を取り出すのです。

情報を初めて取り出すことに成功したのはねずみの脳からでした。(1997年頃のお話)
ねずみの脳から1つの電極ごとに取り出した神経をコンピュータで1つの線として表示します。
コンピュータで解析すると、ねずみの前足の動きが予測できました。
取り出した神経を何とか利用できないか。
シェーピン教授はさらに実験を繰り返しました。
その結果できたシステムが以下の装置です。

レバーを押すと蛇口が出てきて水を飲むことが出来るシステムです。
レバーはスロットのレバーをすごく小さくして、ねずみが前足を乗せたら下に下がるものを想像してください。
蛇口は、ししおどしを非常に小さくしたものを想像してください。
竹が斜めに切られているところが出てきたら、ねずみは水を飲めるじゃないですか。
つまり、レバーを押すと飲み口が出てくる仕組みです。
これらをレバーから蛇口へ接続します。

結果は、次第にねずみは学習し、水を飲みたいときに前足でレバーを押すようになりました。
次に、ねずみの脳に電極を差し込みます。
水を飲もうとしてレバーを押した時にだす脳の信号を記録します。
そしてこの後、レバーを押すと蛇口が出る回路の接続を遮断しました。
そして蛇口をレバーの回路からコンピュータにつなぎ変えました。
レバーの信号ではなく脳の信号で動く回路へ切り替えました。
つまりねずみが水を飲みたいとレバーを押すと、そのときねずみの脳から信号がコンピュータに行き、コンピュータがその信号を受け取った時蛇口が出る仕組みにしたのです。
やはり、脳から出る信号だけで水を飲めるようになりましたが、この後予想していないことが起きました。
ねずみは前足でレバーを動かさずに飲んでいたのです。
ねずみが前足を動かさなくても、前足を動かすのと同様の信号を送れるようになっていたのです。
これは、ねずみの脳が発達したのではないかと考えています。
脳の指令だけで外の機械を動かせるようになっていたのです。

『脳コンピュータ インターフェイス』は開発競争が世界中で始まり、急速に発展しています。
アメリカのピッツバーグ大学では、サルの脳から出た信号だけでロボットの腕を動かしています。
サルの脳には100本もの電極が埋め込まれています。
サルの脳はコンピュータに合わせて活動し始めていました。
考えるだけでロボットの腕を上下左右に動かし、上手にえさを食べているのです。
サルが機械の手を使ってえさを取り、それを口にもっていき食べている姿は非常に違和感があって面白かったです。

10年以上のサルでの実験の積み重ねより、アメリカ政府は去年、初めて人間に適用する許可を出しました。

実例:頚椎を損傷し、首から下を全く動かせない人。



続く


















抱きしめられたい。


ゆっくり休みたい・・・。